移動平均線の見方について分かりやすく解説します。
移動平均線は、一定期間の終値の平均値です。
直近の終値を計算に反映し、古い値は外していくことで直近の傾向を表しています。
たとえば5日移動平均の場合、下記の表のように直近5日の平均を計算します。そして移動平均線としてグラフにすることで、直感的に上昇傾向であることを把握できるようになります。


移動平均の値が大きくなっていくと、最近は上昇傾向にあるということを示しているので、ローソク足だけでは見失う恐れのある大きな流れを把握することができます。
移動平均線は、ローソク足と同じように投資家にとって必須ツールとなっています。
-
-
ローソク足の見方を分かりやすく解説!
続きを見る
移動平均線の種類

投資家の多くは、「25日」「75日」「200日」の移動平均を参考にして、市場の傾向を把握して投資をしています。
そこで、これら3種類をチェックすべき優先度順に説明していきます。
75日移動平均線
最初に確認すべきは、75日移動平均線です。
中期の動きで、大きなトレンドを把握することができるからです。
最も基本的な買いと売りの戦略は、この75日線を確認して立てると良いです。
75日線が上向いていると、直近2~3カ月は株価が上昇していることを表しています。
75日線の特徴
- 短期・長期の両方の傾向を見ることができる
- 人が収益を考える単位と同じ3ヶ月
- 企業の四半期決算と同じサイクル
25日線
75日線でトレンドが発生したことを確認したら、次に参考するのが25日移動平均線です。
1カ月ほどの動きを表しているので、最近買った株式が気になるという投資家心理を反映しています。
25日線の特徴
- 75日線で中期トレンド確認後に、参考にすると良い
- 直近の動きを敏感に反映
200日線
200日移動平均線は、長期の傾向で大きなトレンド変化がわかります。
200日線は10カ月〜1年の傾向を表しているので、この線に株価が近づいていくとトレンドの大きな変化を予測させる材料として使われています。
中・長期の投資では、200日線が売買のポイントとして使われることはあまりありません。
200日線の特徴
- 長期の傾向で、大きなトレンド変化が分かる
- 中・長期の投資ではあまり使わない
- 200日線にタッチすることを、「抵抗」や「支持」といい、反発する作用が働くことが多い
移動平均線の使い方
投資家が売買の基準として使うものに「ゴールデンクロス」と「デッドクロス」があります。
ゴールデンクロスは、25日線が75日線を下から上にクロスしたら買いで、デッドクロスは、25日線が75日線を上から下にクロスしたら売りというものです。
しかしゴールデンクロスのみで買いと判断すると、それは下降トレンド中の一時的な戻りにすぎなく、さらなる大きな下落がはじまる恐れもあるので注意が必要です。
大切なのは、移動平均線から読み取れる傾向のみで売買を決めるのではなく、ローソク足と組み合わせて株価の位置を判断することになります。
ローソク足が、平均移動線の上にあるのか、下にあるのか、どのくらい乖離しているのかを確認してから売買を行いましょう。
移動平均線の使い方
- 平均移動線のみで、売買判断をしない
- 平均移動線で傾向を把握する
- ローソク足と組み合わせて、株価の位置を照らし合わせる